「『表現の自由』を訴えるという目的に達していない」「SNSが影響した現代的な問題だ」――。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を受け、16日に初会合があった県の検証委員会で、有識者らが意見を述べ合った。美術史や憲法などの専門家6人は、企画展の見せ方や運営態勢などの課題を洗い出した。
「一般の人が準備なく見に来ると、プロパガンダと感じてしまうのも否定できない」。行政改革が専門で検証委副座長の上山信一・慶大教授は、企画展の準備や見せ方に問題があったとの見方を示した。
企画展では、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品など、各地の美術展で撤去されるなどした二十数点を展示していた。上山氏は「絶対的な正解がないテーマだと予告し、『表現の自由』を学んだうえで展示を見せないと、企画展の目的は達成できないのではないか」と述べた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル